花と建築 静岡いけばな行脚 第1回(1月4日夕刊)
1月4日から始まった連載「花と建築-静岡いけばな行脚」について紹介します。
若手の華道家で建築家の辻雄貴さんが、県内のさまざまな建築に着想したいけばなを制作して、その空間に新たな彩りを加える-という企画。
県内の建築を“行脚”して、その場でいけばなを制作します。
第1回は、国宝・久能山東照宮。
総漆塗りの彩色が施された本殿は、鮮やかながら荘厳。静ひつな雰囲気が香り立ちます。
その本殿の前の境内を午後1時に訪れると、すでに辻さんの制作は始まっていました。
花材と対話をするように、制作に没頭する辻さん。薄い日差しの当たるなか、本殿と向き合って黙々と続く制作空間には、心地良い緊張が漂っていました。
こちらからは話しかけられない雰囲気。
参拝のお客さんも足を止めて眺めていました。そんな周囲の空気も取り込んだ制作は、まるでライブのよう。
1時間ほど過ぎた頃、完成の声。ほっとした表情の辻さんと、展示の位置決めに入ります。
当初は拝殿の外側での撮影を予定していましたが、日差しの加減や建物の影が影響して、撮影も難航しました。
ご好意をいただいて、拝殿での展示と撮影に。ほの暗い空間に、赤と黄色のいけばなが鮮やかに浮かび上がっています。お正月らしく、落ち着いた豪華な空間に。
いけばなはその後、久能山東照宮に奉納しました。
【今回の花材】
松、苔梅、サシメ南天、ピンクッション、フェノコマ
松は、静岡で切り出してきたもの。
静岡市葵区の「花かん」で、「松に合う素材を、店長さんと相談をして決めました」(辻さん)。
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