花と建築 静岡いけばな行脚 第2回(2月1日掲載)
若手華道家・建築家の辻雄貴さんが県内の建築を訪ね、その場でいけばなを制作するシリーズの2回目は、掛川市の「ねむの木こども美術館どんぐり」でした。
掛川インターから車で20分ほどの「ねむの木村」内にある美術館は、藤森照信さんの設計。白い外壁に青空がよく映えます。壁の下部には、子供たちが描いたという植物もかわいらしいです。
展示室内は、真っ白な空間。しかし無機質ではなくあたたかみを感じるのは、柱などに使われた木のぬくもり。木の曲線をそのまま生かした柱は、まるでそこに木が立っているかのようです。
その有機的な空間に触発された辻さん。絵画とガラス作品のある空間で制作をスタートしました。
絵画がふわりと浮いているかのような、不思議な空間。
テーマは「大地の生命力」。ビャクシンの枝に穴を開け、そこにランを生けます。
地を這うようなビャクシンの枝の向きは、「大地を持ち上げる」イメージ。大地から植物の命が芽吹く春を目前にした、季節感にあふれています。
そして撮影、掲載された作品はこちら。
下は〝お蔵入り〟だった写真。いけばなもまるで一つの作品のように、空間になじんでいました。
【今回の花材】
ビャクシン、ラン(コルマラナ・ワイルドキャット)、ツゲ、ハスの実、ジグザグワトル
前回につづき「花かん」(静岡市葵区新通1-3-1)で、「2月のイメージを伝え、花材を選んでもらいました」(辻さん)。
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