チームワークが生む

　２月８日夕刊の「生活彩々」は、加工、販売までを手掛ける農園カフェを特集しました。静岡県の農林事務所などから情報を得て、静岡市内３カ所、袋井市内１カ所を巡りました。採れたてのフルーツで作るパフェやジュースのおいしさはもちろん、それ以上に胸を打たれたのは、栽培にかける情熱と品質の高さ、そして家族のチームワークでした。

☆－－－☆－－－☆－－－☆

　イチゴの「なかじま園」は国道３６２号（藁科街道）沿い、藁科図書館の向かい側にあります。

写真）イチゴがどっさりのったパフェやワッフルが人気

　明るい店内から、一枚ガラスの窓越しにビニールハウスが見えます。「食べてみて」と差し出されたイチゴは、甘みと香りがパッと広がる鮮やかなおいしさ。素材そのものが高品質なのだと実感しました。早生、晩成など多品種を植え、その時期に最もおいしく味わえるよう工夫されています。

なかじま園　静岡市葵区羽鳥本町１１の２１　電０５４・２７７・２３２２
アットエス： http://www.at-s.com/gourmet/detail/100053456.html
公式サイト： http://www.ichigo15.jp/

写真）ロールケーキのスポンジを使った「グラスde　ケーキ」

　「ジャボチカバ」…舌をかみそうな名前です。このブラジル原産の果樹を育て、観光農園にしたのが「西川農園」の西川宜成さん、文さん夫妻（左の写真）

　静岡市駿河区丸子、国道１号の「赤目ケ谷中」交差点を少し北へ入った土手沿いにあります。生だと巨峰やライチに近い味。ジャムや焼き菓子も作っています。

　日曜だけの営業で、文さん手作りのパンがお目当ての常連さんも。キッチンカーは年代物のワーゲンバス。ハウス内にはバナナやスターフルーツなど珍しい果樹が育ち、ゆったりした時間が流れていきます。

西川農園　静岡市駿河区丸子赤目ケ谷　電０９０・７６０５・３４９１
http://plaza.across.or.jp/~marion/

右の写真）パン生地にジャボチカバを練り込んだパンのサンドイッチ。パンの外側はぱりっと、中はしっとり。時期の野菜のスープも滋味豊か。

　甘みの強いトマト、「アミノレッド」で知られる「川村農園」カフェは、土日祝日の午後から日暮れまでの営業。静岡市清水区三保の住宅地の中にあるので分かりにくいかもしれません。店のカードに『三保街道を半島の先端方向に進み、「灯台入口」交差点を右折し、２本目を左折、２０メートル』とあります。

　カフェは１２代目の川村研史さん、妻の由香さんが担当し、正面左手の店舗で研史さんのご両親がトマトの袋詰めや、笑顔で顧客の対応をしています。

写真）加工施設の予定だった建物をカフェに改装。
左手が直売所。カフェの中はアンティークで若者好みの内装になっています。

　生のトマトも甘さと酸味とのバランスが良く、元気が出てくる味ですが、生ジュースはまた異なるおいしさ。シロップ少々と自園のレモンの皮が隠し味だそうです。取材当日は横浜市から女性農業者の団体が視察に訪れていて、トマトのほか枝豆やメロンを手掛ける栽培技術の高さに驚いていました。

写真）さまざまなトマトが登場

川村農園カフェ　静岡市清水区三保３１６３　電０５４・３３４・０７８９
アットエス： http://www.at-s.com/gourmet/detail/275.html
公式サイト： http://kawamura.eshizuoka.jp/

　袋井市は日本一のマスクメロン産地。メロン栽培５０年、農園カフェ歴１０年余の名倉メロン農場。周囲に水田や茶畑が連なる中に建っています。メロンのエキゾチックな味わいとともに、広々とした景観も一見の価値があります。

写真）メロンのゴージャスな味を存分に

　カフェは土日祝日の営業。８棟あるハウスで小さな苗から立派なメロンに育つまでの過程をつぶさに見学でき、メロンのことを知る学びの場でもあります。

写真）メロン栽培に情熱を傾ける３代目、名倉正悟さん

　温室の心地良い空間を生かした講座やコンサートなど「冬の温室活用企画」も好評です。

名倉メロン農場　袋井市山崎４３３４　電０５３７・４８・５６７７
アットエス： http://www.at-s.com/gourmet/detail/2890.html
公式サイト： http://nagura-melon.jp

追記　同じ８日の夕方、ＳＢＳテレビのイブニングアイでも川村農園と西川農園が紹介されました。まったくの偶然ですが、これからの季節、家族で出掛けるのに格好のスポットといえそうです。また、お近くに農園カフェがあれば、どうぞ情報をお寄せください。