花と建築 静岡いけばな行脚 第3回(3月1日掲載)
若手華道家・建築家の辻雄貴さんが県内の建築を巡り、その場でいけばなを制作する連載「花と建築」の第3弾、今回の撮影地は、「沼津倶楽部」(沼津市千本郷林)のレストラン棟です。
若山牧水記念館の向かい側、松が立ち並ぶ3000坪の庭園。
この中に、築100年超、数寄屋建築の邸宅があります。松林を整備せずに建てたため、松と建築が近接した部分は、松の根が建物を持ち上げているとか。さすがは松の名勝地です。
邸宅の中をのぞいてみましょう。
木でしつらえた洗面台。
千人茶会を行えるようにという意図から、全室が茶室として設計されたそうです。
レストラン部分。映画「百合子、ダスヴィダーニャ」の撮影にも使われました。
すてきな場所が多く、今回は撮影場所の選定に悩みました。
なんと、屋外で制作をスタート。
奥に沼津垣、そして松林を入れこんで。
カメラマンが地面すれすれのアングルから撮影しました。
季節は「啓蟄」。植物や動物が動き出すイメージに-と、制作に集中する辻さん。
結果的に、屋内の撮影場所として選んだのは、“憲法の間”。この場所で憲法の草案が練られたといういわれもある、和洋折衷の広間です。天井の模様が部分ごとに異なっていて、なんとも凝った趣を味わいながら。
日も傾いたころ、やさしい日光を含んだ1枚。紙面に掲載された写真です。
使用花材はコワニー、ブルビネラ、ニゲラ、ライラック、オルラヤ。「花かん」(静岡市葵区新通1-3-1)で、「小ぶりながら春らしい花を選びました」(辻さん)
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.at-s.com/mt1/mt-tb.cgi/46696