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「音楽は即興である」 取材メモの"菅野語録"から

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 3月4日付「しずおか音楽の現場」面は、ジャズピアニストの菅野邦彦さん(下田市)が心血を注いで開発している「平らな鍵盤」を取り上げました。

 菅野さんは77歳。その半生は、数々の逸話に彩られています。

 学習院大時代はアイスホッケー選手を目指したものの、スケートリンクに流れるジャズに引かれて音楽の道へ。ジャズ・クラリネットの第一人者トニー・スコットに米バークリー音楽院入学を薦められるも「音楽は教育されるものではない」と拒否。「ミスティ」や「ネロビアンコ」など、東京の名店でハウスピアニストとして活躍後、1970年代初期には、レコード会社のオファーから逃れるようにしてブラジルやニューヨークなどを点々としたそうです。

 ダイナミックな音楽人生を貫くのは「音楽は即興である」という信念です。

 取材時にも「菅野語録」とでも言うべき、長く音楽人生を送ってきたプロならではの発言が多数あり、強く印象に残りました。以下、いくつかご紹介します。

 「ジャズというのは『その場』を表現するもの。決して譜面に起こしたものではない」

 「よく知られたメロディーを弾くにしても、そのときの気持ちで弾けば演奏が変化するはず。『スターダスト』を弾くなら、星空を見た方がいいし、恋人を前にして演奏すればもっといい」

 「音楽をやるには、一度いい加減な人間にならなくては。本当は理論なんか必要ないんです。『音を出したい』という衝動が楽に出せる楽器がいい。触っただけですぐポンと音が出るのが楽器本来の姿です」

 「音楽は遊びです。できれば音楽でお金が動かない方がいい。ついてくるのはいいけれど、最低限食えていればいい」

 「音楽は楽しく生きるためにあるもの。僕はそれを信じている。本気ですよ」

 

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