短編映画のよう ミドリカワ書房ライブ
４月１２日夕刊の生活面「とんがりエンタ」は、７日に浜松で行われたミドリカワ書房のライブの模様をお伝えしました。
「小説を書いているつもり」という彼の歌詞には、さまざまな人物が登場します。お気に入りバンドのギタリストを追いかける女ストーカー、いじめを受けた息子をいたわる父、虐待の末義理の息子を死に追いやった男、若い男をあさる高校保健室の先生、世を去る前に母に手紙を書く死刑囚・・・。どこか切なく、悲哀が感じられる主人公たちの一人称で語られる歌詞世界は、まさしく短編小説のような「聴後感」があります。
世の中にあふれる「明るく元気」な流行歌とはまったく異なる世界。しかしリアリティーあふれる情景描写や人物造形、語り口は、聞き手を泣かせ、笑わせる力が備わっています。
２０１１年発表のアルバム「愛にのぼせろ」には、「熱海」という曲が収録されています。人生をリセットするべく、熱海駅に降り立った男女の姿を描いています。
当日はアンコールでこの曲を披露。演奏の前に、熱海への尽きせぬ愛着を口にするミドリカワ書房。「僕は熱海の観光大使になりたい」。本気ともウソとも取れるＭＣに、店内はドッと沸きました。
ミドリカワ書房オフィシャルサイト
