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頂 ITADAKI 2013(中)

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 6月1、2日に吉田町の県営吉田公園で行われた野外音楽フェスティバル「頂 ITADAKI 2013」の雑観をつづります。

 

 (写真)色とりどりのタープや日よけテント、椅子が並んだチェアエリア

 

 独特のゆるい雰囲気を大切にしている「頂」。出演アーティストもそのあたりを考慮したラインナップが中心です。
 そうした傾向とは明らかに異なるグループが、1日目のトリにラインナップされました。北海道札幌市を拠点にするヒップホップユニット、ザ・ブルーハーブです。ジャンルレスを売り物にしている「頂」ですが、純正のヒップホップユニットが出演するのは初めてのことです。

 ターンテーブルだけがセットされたグリーンステージに登場したDJ DYEとラッパーのILL-BOSSTINO。新作収録の「WE CAN…」を皮切りにした、非常に濃密な1時間でした。

 1DJ、1ラッパーとは思えない情報量の多いサウンドとラップ。人生の喜びや悲しみを巧みに織り込んだリアルな言葉の数々は、まるでハードボイルド小説のようです。安直なコール&レスポンスはほとんどありません。

 速射砲のように繰り出されるラップは、聴いている側にも一定の緊張感をもたらします。「冥王星よ、聞いているか…」。独白のように繰り出されるILL-BOSSTINOの無伴奏のラップ。それを立ちつくして聴く観客。会場内は、風で木々がそよぐ音が聞こえるほど静まりかえっています。直後にターンテーブルから繰り出されるキック音。大歓声。何という緩急の激しさ! こんな風景、「頂」では初めて見ました。

 筆者の後方にいた若者グループは、演奏中から「やべえ」「やべえよ」を連発。終了後は放心状態といった顔つきでした。「未来は俺等の手の中」「未来は俺等の手の中」。この日演奏された曲のフレーズを、呪文のように口ずさむ声も多数。この日のザ・ブルーハーブに「魂を奪われた」観客はかなり大勢いたのではないでしょうか。

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