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清水で個展 現代美術家・丹羽勝次さんインタビュー

20130712WEBのみコラム丹羽.JPG 7月12日夕刊「文化・芸術」面では、現代美術家の丹羽勝次さんに作品の制作意図や、表現の本質についてうかがいました。

 静岡市清水区のフェルケール博物館で28日まで、個展「WHAT’S GOING ON『ON and OFF』から塩の道へ」が開催されています。

 記事中写真に写っている「Graph2012」は、高さ2メートルのホワイトウッドの板を30枚並べた作品です。それぞれに青や赤のペイントが施されています。 昨年、旧大須賀町(掛川市)で行われた『ちっちゃな文化展』で初めて公開したもの。南海トラフ巨大地震で想定される全国各地の津波の高さを表したものです。

 「大須賀で展示したときは、新聞記事と一緒に飾ったから、これが何を意味しているか一目瞭然でした。でも、別の展示会場に置くと意味合いが変わってくる。説明を一切省いて、タイトルも『Graph』とした。見た人は、何のグラフかわからない。そこがいい」

 瀟洒な美術館の展示室に並んでいると、作品の出発点になった激しく過酷な現実は思い浮かびません。高さがまちまちな青や赤の棒グラフを見ていると、そのかたちそれ自体が美しさを宿していることに気が付きます。
 
 「『なりゆき』というのが大切。人間がなんら手を加えなくてもいい。石はどこに転がって行こうと、ピタッと収まるべき所に収まる」

 「作為」の発露であるアート作品の根本を問い直すような「Graph2012」。丹羽さんの制作への態度をよく表しているように思えます。(橋)

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