静岡新聞　文化生活部記者ブログ「くらしず」　紙面にプラス、こぼれ話いろいろ

　弥生時代後期の集落跡・登呂遺跡（静岡市駿河区登呂）。遠足で訪れたという人も多いでしょう。すっかりお馴染みの場所です。

　久しぶりに、取材で現地を訪ねて気付きました。

　ことし、発見７０年。

　第二次大戦中の１９４３年、軍需工場建設現場から木製品や土器などが出土したのが始まり。

　戦中の発掘調査に続き、４７年には第２次発掘調査がスタートしました。終戦から２年で調査が再開されたことに、驚きます。自分たちのルーツをひもとく作業が、敗戦で疲弊した当時の人々を勇気付けたのかもしれません。

　発掘には、学生さんたちも参加したそう。そして、第２次調査が始まった日は７月１３日。強い日差しが照りつけるなか、若者たちはどんな思いで日本の古代史に向き合ったのでしょう。酷暑の続く週末、額の汗をぬぐいながら思いを巡らせています。