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「見えないデザイン」

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 10月28日付「音楽の現場」では、「生体分子の奏でる音楽」を紹介しました。

 サウンド・スペース・コンポーザーの井出祐昭さん(写真)は、幾多の大型プロジェクトを通じて、音響技術を生かした快適な都市空間作りに貢献しています。

 その発端ともいうべき仕事が、JR新宿駅と渋谷駅の発車音。1989年3月にさかのぼります。ヤマハの音響ソフト制作担当者だった井出さんは、JR東日本の依頼を受けてそれまでのベル音から、路線別のテーマサウンドを作ったのです。

 ひっきりなしに電車が発着するターミナル駅。できるだけ小さな音で、確実に注意喚起する音が求められました。それに加えて、路線別に個性を出しつつ、駅全体では調和が感じられる音を目指したそうです。

 そこで出たキーワードが「中道」。相反する要素が矛盾なく融合されている。そんなイメージに一番近い音が、教会やお寺の「鐘」でした。これを突破口にして出来上がった、新しい発車音は、今ではすっかり私たちの生活に定着しています。

 井出さんのその後の仕事、都市空間に自然環境の音を持ち込む手法などは、「見えないデザイン サウンド・スペース・コンポーザーの仕事」(ヤマハミュージックメディア刊)にまとめられています。興味のある方は、ぜひお読み下さい。(橋)

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