三角みづ紀さんの新CD
11月の「しずおか連詩の会」に参加した詩人の三角みづ紀さんが在籍する5人組「ライブラリ」が12月11日にセカンドアルバム「Light」を発表しました。
ライブラリは「図書館系ジャズユニット」と形容されるバンドです。メンバーは三角さんのほか、リーダーでベースの蛯子健太郎さん、ピアノの飯尾登志さん、サックスの橋爪亮督さん、パーカッションの井谷享志さん。三角さんは作詞と、朗読を担当。いくつかの曲では歌も披露しています。
すき間の多い、一つ一つの楽器の「鳴り」「余韻」「響き」の重なりあいを大切にしたサウンド。そんなサウンドの上に、三角さんがつぶやくようなあの独特の語り口で自身の言葉を載せていきます。とてもユニークでオリジナリティーあふれる音楽です。
アメリカ文学研究者で翻訳家の柴田元幸さんがライナーノーツを寄せています。少し引用させてください。
「三角みづ紀の参加が音楽に新たな好ましさを加えていることもまた間違いない。詩を『呟いたり』とひとまず書いたが、実はどう言ったらいいのか、何とも独特の味わいがある語り口である。これは歌も同様で、素人の域を超えていることは確かだが、プロの歌手とも違う奇妙な不安定感があって、それがユニット全体の音に通底する不安定さとも共鳴しているように思う」
「なかまわれのうた」「モノフォーカス」など、先にメロディーがあった上で書いた(と思われる)「詞」もあるのが、興味深いところ。現代詩とは少し異なるアプローチが、三角さんの表現に一筋の「光」を加えているように感じました。
三角さんのファンの方だけでなく、ヨーロッパのジャズや現代音楽、クラシックのファンの方にもお勧めです。(橋)
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