まさに「前衛」 県美収蔵品展
昨日の本ブログで紹介した「二見彰一展」と同じ1月19日まで、静岡県立美術館ではもう一つ展覧会を行っています。今年2月1日から始まる企画展「グループ『幻触』と石子順造 1966-1971」を前に、「幻触」の面々と同時代を生きた現代アーティストの作品を見せようというコンセプトです。(橋)
県立美術館の第7展示室に入ると、ギョッとする人も多いことでしょう。それまでの二見彰一さんの静かで穏やかな作品とは対照的な、けばけばしい大作がずらりと並んでいるからです。
1960年代末から70年代を席巻した「もの派」の中心人物李禹煥さん、大阪の「具体美術協会」の吉原治良さんや嶋本昭三さん、オノ・ヨーコや草間弥生と並ぶ鬼才と評された田中敦子さんらの作品は、「表現とは何か」「芸術とは何か」という問いを突きつけます。
嶋本さんの作品「1961-3」は、「絵の具の入ったビンをキャンバスに投げつける」という特有の技法で描かれたもの。分厚い絵の具の存在感に圧倒されます。
もしや「死語」と化してしまったかもしれない「前衛」という言葉。しかし、収蔵品展の18点からは、まさに「前衛」としか言いようのないにおいが立ち上っていました。
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