「シャガールの手」に注目
1月2日から静岡市美術館で開かれている「シャガール展」。1月4日の開幕式に行ってきました。(橋)
主催者を代表してあいさつした同美術館の田中豊稲館長によれば、2、3日はそれぞれ約1500人の来館者があったそうです。「3月30日の会期末までずっとこのペースなら、来場者10万人超という計算」と話していました。
今回は特に作家キャリアの後期を中心にした展示です。パリ・オペラ座の天井画や、ハダサー医療センターのステンドグラスの下絵が目玉の一つ。大作完成までのプロセスがよく分かります。
筆者が個人的に注目したのは出口付近に飾られた「シャガールの手」(1968年)。「リトグラフ」とありますから、シャガールの手にインクを塗ってペタッと押したいわゆる「手形」だと思います。
自分の手をかざして比べて見ました。平均的な日本人と大きさに変わりはありません。興味深いのは案外指が短く手のひらが広いこと。第二関節から指の付け根辺りにかけては、特に太くがっしりしています。勝手な印象でしかありませんが、「芸術家」というよりは「職人」の手のように見えました。
晩年は石彫や陶芸にも挑んだシャガール。扱う素材が手を変えたのか、それとも最初からこういう手だったのか。彼の「手さばき」を想像しながら作品を見るのも一興だと感じました。
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