荒俣宏さんが描く田子地区
2月10日付特集連載「地の味 人の味」で取材した、かつお節加工販売大手にんべん(東京都中央区)の社員の方から、ユニークな本を紹介していただきました。(橋)
荒俣宏さんが書いた「男に生まれて 江戸鰹節商い始末」(2004年、朝日新聞社)。時は幕末、にんべんの8代目伊兵衛が主人公の時代小説です。江戸っ子同士の軽快な会話が主軸になっていますが、当時のかつお節の製法や流通なども詳しく書かれていて、勉強になります。
この本の第5章には「田子の浜に恋の烟なんぞ立てやがって」というタイトルがついていて、まさしく西伊豆町田子地区が舞台になっています。
にんべんの番頭さんが、本枯れ節を作る「釜屋」(工場)を訪ねるのですが、その工程の描写は上の記事のために取材したやり方そのままです。
江戸の人々が、いかに田子のかつお節を気に入っていたかが分かる会話も出てきます。「田子節」のブランド価値の一端を知る思いでした。
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