「それでも夜は明ける」初回上映
3月2日(日本時間3日)に発表された第86回米アカデミー賞。作品賞に輝いたスティーブ・マックイーン監督の「それでも夜は明ける」が今日7日から県内でも公開されました。
今日は休日の筆者、「アカデミー賞受賞作への県民の関心」に興味があり、午前10時の初回上映に出掛けてきました。(橋)
県内で上映が始まったのは静岡シネ・ギャラリー、TOHOシネマズ浜松の2カ所。
静岡シネ・ギャラリーには筆者が到着した午前9時半の時点で、すでに20人ほどが集まっていました。9時55分の開場時には34人が列を作りました。
あらすじはすでに明らかになっているので、ここには書きません。
個人的な感想ですが、「感動作」というキャッチコピーは、当たっているような当たっていないような・・・。少なくともカタルシスで満たされる映画ではないですね。その代わり、ラストシーンでは「安堵」の気持ちがじわっと沸いてくる。まあ、このラストですら本当の意味で「救い」になっているかどうか、非常に微妙なところなのですが。
19世紀アメリカの病を描ききった作品とも言えるでしょう。「奴隷制度」を体感できる映画という言い方もできます。人間の一番醜い部分をこれでもかこれでもかとばかりに見せられます。人類の一人として、目を背けてはいけないと、自分に言い聞かせながら見続けました。
上映後、一番最初に入場した静岡市駿河区の36歳男性と会話を交わしました。
「普段はエンターテインメント系の作品を見ることが多く、こうした重いテーマの作品に足を運ぶことは珍しいです。アカデミー賞を取った、という話題がなければ来ていなかったかも知れません」
「感想は・・・重い映画ですね。これは『アメリカの恥部』とも言うべき部分ですよね。それを(出演、プロデュースの)ブラッド・ピットらアメリカ人が自ら映画化し、それにアカデミー賞が与えられるという点が興味深い。アメリカという国の懐の深さを感じます」
「印象に残るのは、主人公のモノローグが一切ないこと。長回しで表情のアップを捉える場面が多く、観客側に心情の解釈を委ねているように思いました」
同館では4月4日まで上映しています。現在の日本が抱えている問題にも通じる映画。ぜひご覧ください。
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