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理系本「ななめ読み」②「共生という生き方」

 3月10日付「サイエンス・ブック・カフェ」で取り上げた「共生という生き方」。静岡大理学部地球科学科の加藤憲二教授の推薦です。「ピーターラビット」作者のビアトリクス・ポターについての記述を興味深く読みました。(橋)

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 ポターの話が出てくるのは第1章。今回の記事で思い出しましたが、ウサギのピーターラビットやベンジャミン・バニー、アヒルのジマイマなどの絵は、木や花、石など周囲の環境も克明に描き込まれていますね。

 ポターは幼少期からロンドンの自宅近くにある自然史博物館に出掛け、スケッチするのが常でした。その後、スコットランドやイングランドの湖水地方で休暇を過ごすたびに写生を繰り返し、絵の腕を上げたようです。

 10代の頃からのお気に入りが、岩や木の幹にへばりつく「地衣類」。ポターは写生を通じてこの生物が藻類と菌類が共生して出来上がっていることを見抜いていました。
 その知見を当時の学会や植物園などに持ち込むのですが、非常に冷淡な仕打ちを受けます。当時のイングランドの科学界では、そもそも女性の発言が許されなかったことも背景にあるようですが・・・。引用されている日記の記述から、ポターの悔しさがよく伝わってきます。

 ピーターラビット誕生の背景には、こんな物語があったんですね。


 

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