「21世紀建築」長谷川逸子さんとの会話(下)
隔週連載「21世紀建築」第2回の「静岡大成高」を設計した長谷川逸子さんのインタビュー。第2回です。(橋)
-関東学院大卒業後、菊竹清訓建築設計事務所で働くようになったいきさつは?
「菊竹さんが、早稲田大に展示されていた私の住宅模型を目にしたのがきっかけです。大学3年のときに、ある国際会議場の大きなコンペがあるから手伝いに来ないか、と突然連絡があって。びっくりしながらも行きました。その次の年も呼ばれて。当初、大卒後は芸大の大学院に行くと決めていました。そのことを(菊竹さんに)言ったら『事務所に就職すればいいじゃないか』と言われたんです」
-当時はまだ油絵にも取り組んでいたんですよね?
「大学時代からずっと描いていて、銀座のギャラリーを借りてグループ展もやっていました。菊竹事務所に入ってからも1回やったんですが、出品作品を描いていたら(過労で)倒れてしまったんです。その時に、母が上京してきて『設計事務所か絵描きか決めて下さい』と言われました。退院して自宅に帰ったら、油絵の道具一式(母に)持って帰られていた。油絵はそれですっぱりあきらめましたね」
-どんな仕事場でしたか?
「ものすごく優秀な人たちに挟まれて5年間働きました。大きな構造建築をいくつもお手伝いさせてもらいました。でも、自分のやりたいこととどこか違う。『自分にあったスケールでやりたいな』と思って、あらためて東工大にいったんです。当初は学校の先生をしながら住宅を作りたいなと思っていました」
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