焼津で発明、かまぼこ製造用「口金」
月曜特集連載「地の味 人の味」。3月24日付の「足平」(焼津市)の取材こぼれ話第2弾です。(橋)
1926年、昭和元年に現在の場所に移転した足平。はんぺんやちくわなどの練り物製造では、焼津市内屈指の歴史を持ちます。
記事を書くにあたり、焼津の練り物の歴史をかなりつっこんで調べました。中でも焼津蒲鉾商工業協同組合が編集した「焼津蒲鉾史」は大いに参考になりました。
最も興味深かった記述は、焼津で発明された「口金」に関する項目です。これは「日本かまぼこ史」に残る偉業とされています。
かまぼこは長く腕自慢の職人が手作業で作っていましたが、1950年代後半に自動で形を整えてかまぼこを製造する画期的な成形機が誕生しました。作ったのは後に同組合の3代目理事長となる加藤達次郎と、鉄工所を経営していた石田謹一郎でした。
ポイントは「おこし」「ぬり」という2つの工程を一つの器具で行うことができる「口金」。魚のすり身を押し出すように入れると、きれいなかまぼこ形がベルトコンベア方式で作れる仕組みです。
視察に来た小田原の業者は「これで職人が腕を競う時代は終わった」と言ったそうです。
瞬く間に全国に普及したこの口金技術は、生産効率を大いに高め、かまぼこの増産に貢献しました。足平でも、今なおこの技術が使われています。
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