SPAC舞台の〝新聞紙アート〟
3月10日、静岡芸術劇場で上演されている静岡県舞台芸術センター(SPAC)の「真夏の夜の夢」を見てきました。一般公演は終了していますが、14日まで中高生鑑賞事業公演が続けられており、誰でも観劇できます。この日は科学技術高の生徒が対象でした。(橋)
シェークスピア作品を野田秀樹さんが潤色し、宮城聰さんが演出したこの作品は2011年6月の初演。東日本大震災大震災直後の「せかい演劇祭」の一演目でした。
筆者はその時は未見。今回初めて観劇したわけですが、重層的な構造の物語、構図の美しい舞台美術、心象風景を的確に表現した劇伴音楽が印象に残りました。
舞台に目をこらしてみると、セットのほとんどが紙で作られていることに気付きます。音楽を奏でる「妖精」役の俳優たちの衣装は、あちこちに「見出し」が・・・。
そうです。新聞紙が使われているのです。丸めたり、しわを寄せたり、束ねたり。大判の紙の質感や色をうまく生かしていました。大きく広げて「カサカサ」と震わせ、楽器代わりに使う場面もありました。
終演後に少し宮城さんと言葉を交わしました。衣装は、新聞の紙面をそのままコピーした布を使っています。3年前の初演時はすべて本物の新聞紙を使っていたそうですが、今回はロングラン公演ということで耐性の問題で実現しなかったとのこと。
いずれにしろ、一人の新聞社社員としてはうれしい演出でした。
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