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川端康成氏と土偶

 4月12日に静岡市美術館で開幕した「巨匠の眼 川端康成と東山魁夷」展に行ってきました。川端氏のコレクションと東山氏の自身の作品を含むコレクションをゾーン分けして展示しています。いくつか筆者なりの見どころを提示します。(橋)

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 独自の審美眼で多くの美術品を集めていた川端康成氏。2004年に初めてまとまった形で公開されたそうです。出土品、日本画、洋画、木工製品までジャンルは多岐にわたります。

 正直なところ、「良さが伝わってこない」作品もあります。この絵のどこに魅力を感じたんだろう。そんな疑問符が付くものもあります。
 でも、そのいちいちに川端氏なりの称賛のコメントが付いており、これが実に興味深い。異ジャンルの作家への畏怖、敬意をひしひしと感じます。

 印象的な出品物の一つに、縄文期(紀元前3~2世紀)の素焼きの土偶があります。川端氏は「縄文時代の女子土偶のうちで、このハアト型の顔が一番美人だと、私は思ってゐる」(1970年)と書き添えています。
 
 この土偶と一緒に写っている写真(ユーサフ・カーシュ撮影)が、実物とは少し離れた場所に展示されています。ぜひご覧になって下さい。
 いかめしいポートレートが多い川端氏が、何とも言えない柔和な表情を浮かべています。イメージが一新される1枚です。

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