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県内拠点のヒップホップユニット「豆尖」(上)

 4月25日夕刊「とんがりエンタ」では静岡市拠点のヒップホップユニット「豆尖」の新作アルバム「DIO」(下)を取り上げました。テクノやダブ、ドラムンベースやアンビエントなど、多彩な音楽が下敷きになったトラックと、高速で言葉を繰り出す2人のラッパーのせめぎ合いは、「ヒップホップ」の固定的なイメージを打ち破る力を持っています。(橋)

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 2回に分けて、インタビュー抄録と「おまけ」をお届けしましょう。(撮影協力フリーキーショウ

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▽ラッパーとして活動を始めたのはいつごろですか?
尖閣(写真右)「17歳ですね。『尖閣』と名乗り始めたのは18歳からです。最近、この名前の受け取られ方は大きく変わりました。正直なところ、変えようと思ったこともあります。でも、時代の流れの中で自分の名前が変わってしまうのは不本意だと思い直しました。時代に左右されることをやっているわけではないので」

豆汁(写真左)「20歳ぐらいでしょうか。ラップを知ったのは高校生のころ。コンプレックスしかなかった時に、出合ってしまったんです。やってみたら、結構上手にできた。これなら人を見返せるかもしれない、という気持ちになれたことを覚えています」

▽豆尖を結成したいきさつは?
尖閣「かつて組んでいたグループのメンバーが、1人やめ2人やめした時期があって。正直、音楽を続けること自体、思い悩んでいました。その時に豆汁を〝見つけた〟んです。同じグループでやっていたDJが、豆汁とタッグでライブをやるようになって。そのDJに『一緒に曲を作ってみればいいじゃん』と言われたんです。最初は『尖閣&豆汁』名義で動いていた。何回もそういう機会があって、『豆尖』という名前に落ち着きました」

▽豆尖での表現は、どんな点がソロと違いますか?
尖閣「掛け合いとハーモニー。それから、聞いているだけでは伝わらないかもしれないけれど、音として浮かび上がってこない一体感。同じトラックに乗せて2人で歌うと、何とも言えない一体感が得られます。バンドをやっている人もそうした感覚を得ているのではないでしょうか」

豆汁「リリックの内容、言葉のチョイスが変わってきます。例えば、一人称を『俺』と言うのか『僕』か、それとも『私』か」

▽それぞれに役割を決めていたりするんでしょうか?
豆汁「(感性を)『寄せ合う』という気持ちはありますが、2人で役割を分担するようなことはありません。彼は僕には書けないリリックを書く。僕は僕で、僕にしか書けないものを出すという」

尖閣「必要以上に融合はしない。最初から完成を目指すより、まずは自分たちそれぞれの中にあるものを出して出して。ライブを重ねていくことで、それを完成に近づけていくんです。特にバランスを取るような作り方はしていません。彼は彼なりの、僕は僕なりのリリックを考えてくる。お互いに『こうしたほうがいいんじゃないか』とは言わない。それぞれをライブで重ねて歌うことで消化できる。打ち合わせなしで合っちゃう。豆尖をやっている最大の理由は、そこかもしれません」
 
▼おまけ▼ 尖閣の「ヒップホップこの1枚」

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「中学3年生の時、友達がもう自分でラップをしていて。よくシャカゾンビとかブッダブランドの名前を口にしていました。僕は何も分からないままそれをメモって、間違ってKダブシャインDJマスターキーのミックスを買ってしまった。Kダブシャインの「現在時刻」が初めて買ったCD。中学校で習わない英語のスラングが満載で驚きました。あのころのヒップホップはメッセージが強かったですね。今聞いてみても、いいこと言っているなと思いますね」

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