県内拠点のヒップホップユニット「豆尖」(下)
4月25日夕刊「とんがりエンタ」で紹介した、ヒップホップユニット「豆尖」。インタビュー抄録第2弾と「おまけ」です。(橋)
▽6曲目の「baby gozzilla」はゆったりしたピアノのフレーズがループするトラックにのせた、いわば「静岡賛歌」的な内容ですね。
豆汁(写真左)「学生から社会人になった時期に作った曲。時間の使い方が変わって、平和に日々暮らす中で、扱えるトピックがなくなってしまったんです。自分には何を歌えるんだろうと考えた時に、自信を持って歌えるのは自分の家族、家のことだと気付いたんです。たぶん僕はそれまで、周囲の環境が幸せすぎた。幸せすぎるのが当たり前で生きてきてしまっている。そういう、『自分の当たり前』をテーマにしました」
▽10曲目の「夢の背中」は曲調がめまぐるしく変化する、7分にわたる〝大叙事詩〟。ある意味で、問題作ですよね。
尖閣(写真右)「曲をまとめてくれたのは、このアルバムのほとんどのトラックを担当しているohm(オウム)という人です。リリックは、最初の段階では一切トラックなしで書きました。ちゃんとした8ビートではなく、とにかく言葉だけ。いろいろな場面で思いついてたフレーズをノートに書き溜めているんですが、全く関係ない場面についての一節一節を並べていったらああなった。書いた期間は長いんですが、作るとなったら早かった」
▽現代詩のような言葉の連なりが印象的です。最初は多幸感があるけれど、じわじわと悪夢に引きずり込まれるような。
尖閣「でも、物語としてはハッピーエンドなんですよね。死んだと思ったけれど死んでいなかった、という。一番悲しいのは、悲しみを感じないことでしょう。自分の感情をなくしてしまうこと。僕としては、あれは人間賛歌なんです。生きていることの喜びを歌いました」
▼豆汁の「ヒップホップこの1枚」
「高校2年の時、ラッパ我リヤの「ラッパ我リヤ伝説」に入っている『ライムダービー』という曲に衝撃を受けました。ジブラが5文字で何小節も韻を踏むんです。めちゃくちゃ格好良くて。それまでは主にミクスチャー系のロックを聴いていましたが、これがきっかけでラップにハマりました」
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