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「ランナーズニー」への誤解

 5月2日夕刊「生活彩々」のマラソン特集で訪れた「清水スポーツ整形外科」(静岡市清水区)。大瀬眞人院長にいわゆる「ランナーズニー」のメカニズムと対策を解説してもらいました。(橋)

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 最も興味深かったのは、同医院を訪れる膝の痛みを訴える患者の姿についての話です。

 「皆さん、『大変なことが起きてしまった』といった表情で来られる。でも、それは普通のことなんです」

 大瀬院長は在京テレビ局の恒例長時間番組の例を引きます。
 「芸能人が100キロを走るために半年間、専門的なトレーニングを行いますよね。ゴールするまでの経過で、必ず膝が痛くなる。それを見ていて『どうしたんだろう』と思う人はいません。これだけ走っていれば、膝が痛くなって当然だと思うわけです。ところがそれが自分の身に起こるとびっくりしてしまう」

 「マラソンは耐久レース。心臓は2~3時間血液を体に送り続けられるか。肺は酸素を供給し続けられるか。筋肉はある程度のスピードで伸び縮みし続けられるか。靱帯や腱は摩擦に耐えられるか。いろいろな要素が問われているんです」

 「それらの要素が優れた選手は、より早く走れる。ひざが痛くなるのも耐久能力の問題です。いかにそれを少なくするかは、競技能力を高める行為そのもの。『ひざさえ痛くなければ完走できたのに』という人もいますが、それこそマラソンの本質そのもの。耐久レースに耐えられる能力がなかっただけのことです」

 「痛みが出たら、そこがその人にとっての限界」と大瀬院長。「走って膝が痛くなるのは当たり前のこと。その説明をして、安心させて上げるのがわれわれの大きな役目とも言えるのです」

 

 

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