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美術館でのマナーとは

 連休期間中に根津美術館(東京都港区)の「燕子花図と藤花図」展に足を運びました。建築や作品の素晴らしさとは別に、とても気になることがありました。(橋)

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 尾形光琳が描いた国宝の「燕子花図屏風」の公開は、庭園のカキツバタが咲くこの季節に合わせた同美術館の恒例行事。今年は重要文化財の円山応挙「藤花図屏風」との競演が話題を呼んでいます。

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 筆者が行った5月4日午後は、入り口に200人ほどが並んでいました。開館時間中だというのに、最後尾から入館までに10分以上かかりました。大変な人気です。

 金屏風に緑と青でデザイン性豊かに描かれた「燕子花図屏風」と、花や葉の繊細な描写が特徴の「藤花図屏風」はそれぞれ全く異なる趣で、並べて展示する必然性が十分に感じられました。「見比べる楽しさ」を堪能しました。

 しかし、心を集中させて作品に完全に入り込むまでには至りませんでした。館内がざわつきすぎていたのです。

 大声で作品解説を読み上げる人、美術館を出てからの食事について話す人、遠くにいる子どもの名前を呼ぶ人・・・。マナーの悪さに閉口しました。その多くが大人、もっと言えばシニアより上の年齢とおぼしき方々です。例えが適切かどうかは分かりませんが、ちょっとしたビアホールの中にいるような気分でした。

 美術館では他の鑑賞者に配慮してひそひそ声で話す、というのは小学校で習ったことのように記憶しています。もちろん、作品について語り合う楽しさを否定するつもりはありません。ただ、この日は「うるさい」と言って差し支えないほどの館内でした。私と同じように顔をしかめている人を何人も見ました。

 幸い、県内の美術館でこうしたストレスを感じたことはありませんが、首都圏では最近あちこちの美術館で指摘されている現象であるようです。

 他人への配慮がない鑑賞者には、どう対応するべきか。新しい取材テーマになるかもしれません。

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