静岡サッカーを語る~静岡偉蹴実況(上)~
5月9日夕刊生活面で取り上げた県内のサッカーをテーマにしたトークショー「静岡偉蹴」。談論風発、大いに盛り上がりました。
日本フットボールリーグ(JFL)のチーム「ホンダロック」(宮崎)の名物サポーターとして知られるロック総統が日本各地を巡って、地元のファンと語り合うという趣向。静岡市葵区の静岡市民文化会館で開かれた「静岡版」にはJリーグ清水、磐田で活躍した山西尊裕さん(常葉大サッカー部コーチ)、Jリーグ磐田、セレッソ大阪などを経て昨年度までフットサルFリーグのアグレミーナ浜松のゴールマウスを守った山本浩正さん(同)、地域リーグの取材を重ねるライターの市川伸一さん。ここでは、紙面に掲載できなかった対論の一部を3回に分けて紹介しましょう。(橋)
ホワイトボードには静岡県の地図と主なサッカースタジアム。静岡県出身のJリーガー新旧が40人ほどの名前。J1からJFLまでの順位表。静岡のサッカーに関する単行本。
さまざまなレプリカユニホームを着た観客が客席を埋めています。
まずは冒頭のやりとりから。以下、敬称略です。
山西:エスパルスのサポーターもたくさんいらっしゃるようで。ご無沙汰しています。今日は楽しく話をしたい。
山本:こんばんは。山本です。よろしくお願いします。
ロック:山本さんはプロレスはしていないですよね。
山本:これは本当なんですが、現役のときにそういう業界からお誘いがありました。打たれ弱いのとひざが悪いので(断った)。
<続いて、この日見てきたJ3の試合にロック総統が噛み付きます>
ロック:今日(4月26日)、僕は藤枝MYFCとYSCCの試合(J3)を見てきたんです。今シーズン初めてプロリーグを見たことになりますが、「これが?」という感じでしたね。YSCCが勝ちましたが、見るべき内容はほぼなかった。推定ブラジル人の審判がキレのいいジャッジをする所ぐらいでした。MYFCの選手がファールスローして、「踏んでるよ」って。
山西:そこに外国人枠使ったんですね(笑)
山西:僕はJ3が設立されたことにメリットを感じています。今までのJFLは、プロクラブとプロを目指すクラブ、アマが共存していた。住み分けがはっきりして分かりやすくなりましたね。大学生って、卒業してもサッカーを続けたいんです。でも今までは「サッカーを続ける」=プロを目指さなくてはならなくなった。ハードルが上がってしまう。
ロック:大学生はプロ志向だけではないですからね。
山西:プロとアマがはっきりしたことは良かったと思います。ところで、ホンダロックにウチ(常葉大)の選手を何人か採ってもらえないでしょうか?
ロック:まずは宮崎弁の教育が必要ですね。
山西:そこは「スピードラーニング」で。
ロック:例えば「てげはしれ」。「すごく走れ」という意味です。「てげてげ」だと「だいたい」ですね。
<県内各地のサッカー文化の違いについて>
山西:僕は清水と磐田、両クラブに温かく迎えていただき、見送っていただいた。両方のクラブに対してフラットでいられる。貴重な立場だと思います。
司会:ダービーの時は、正直なところどんな気持ちなんですか?
山本:選手はたいてい「別に気にしていない。何試合かあるうちの1試合」と言いますよね。でも実のところ「絶対にまけたくない」という気持ちでした。僕らは。
山西:ジュビロって、それをあんまり表に出さない。クラブもチームも。エスパルスには練習場に「狙うは磐田の首一つ」と書かれたのぼりが立てられるんです。それを見ただけでテンションが上がる。清水の熱さっていうかすごいなと。磐田ももちろん熱さはあるが、表に出さない。見えない。内に秘めているというか。「出すな」みたいな伝統がありますね。
ロック:よく分かりますね。静かな闘志というか。
山西:(サッカーの)スタイルの違いかも知れない。磐田はヨーロッパが入ってきている。指導者も含めて。清水はラテン。ブラジルのにおいがするというか。自分(旧清水市出身)の母親も待ち合わせ時間に来ない(笑)。僕は日本のブラジルと言っています。三保半島に入った瞬間に気候が変わるんじゃないかと。
山本:僕は愛知県の三河地方出身。安城とは一緒にしてほしくない。
山西:応援も地域性や土地柄に合っている。藤枝からこっち(東側)は、なんというか・・・おじいちゃんの世代からサッカーをやっていた、みたいな。大井川を超えて浜松の方にいくと、お父さんたちの世代からサッカーを始めた、という感覚なんですよね。これって、外国と日本との違いと同じだと思います。
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