静岡新聞　文化生活部記者ブログ「くらしず」　紙面にプラス、こぼれ話いろいろ

  県内の茶畑が盛期を迎えています。５月１２日の食の連載「地の味人の味」は、藤枝市で有機栽培茶作りに取り組む「葉ッピイ向島園」の向島和詞代表にお話を聞きました。農薬と化学肥料を一切使わない農法は、雑草との闘いといいます。（宮）

  気温が上がり始める３月から１１月ごろまで、センソウグサやススキなどが茶樹の周りを埋め尽くします。向島さんはスタッフと手分けして、約５万平方メートルの畑を１カ月で１巡します。農薬や化学肥料は、害虫の発生や雑草の生育を抑えてくれる役目がありますが、向島さんは「より自然な環境で育てる有機栽培への関心は高まっている」と言います。

  摘採した生葉は、いくつもの機械で加工します。朝から深夜まで稼働し、特にこの時期は機械音がやむことはありません。

  蒸気で蒸して素早く冷却。その後、さまざなま揉み込みを経て乾燥させます。大きさをそろえたり、茶葉以外の異物を取り除いたりして、商品として仕上げます。

  工場内はお茶の香りに包まれ、騒々しくも清々しい感じ。茶業関係者の繁忙期はまだまだ続きます。