幕末の志士たちの豪華寄せ書き
5月17日、静岡市葵区の駿府博物館で現在地での最後の展覧会が始まりました。「コレクション展Ⅱ 黒白の美」と題し、水墨画や書の名品を披露しています。会場の奥に、ちょっとユニークな作品を見つけました。(橋)
「維新志士合作」と題が付いた、この寄せ書き。昭和47(1972)年7月20日発行の同館の「所蔵品目録」には、これを解説する次のような記述があります。
慶応元年(一八六五)春、坂本龍馬、高杉晋作、西郷隆盛、久坂玄瑞、杉聴雨ら五人の勤王志士が長崎平戸の料亭に会合した際、酔に興じて寄せ書きしたものである。
非常に豪華な顔触れ。左の絵では杉聴雨の梅の絵に坂本龍馬が踊る女性を描き加えたとのことです。西郷隆盛、久坂玄瑞も詩を記しています。
これを記した3年後までに坂本龍馬は暗殺され、高杉晋作は病死、久坂玄瑞は自刃したそうです。若き英傑たちのちょっとした「遊び心」がにじみ出た、この「作品」。楽しいうたげの様子を思い描いてみるのも一興でしょう。
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