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「赤くさびた鉄ゲート」のルーツ

 6月2日付の連載「21世紀建築」で取り上げた「おおるり眼科クリニック」(島田市)。設計したナウハウス(浜松市南区)の鈴木幸治さんは、このゲートにはルーツがあると言います。(橋)

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 それが1998年に手掛けた浜松市南区の頭陀寺です。興味を抱き、立ち寄ってみました。

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 あいにく雨の日。魅力が最大限に伝わらないかもしれませんが…。

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 頭陀寺は703年から続く真言宗の寺。木下藤吉郎、つまりのちの豊臣秀吉がこの寺で刀を研いだという逸話が残っています。

 もともとは本堂と墓地が同じ敷地に建っていましたが、現在は道路によって分断されています。鈴木さんは寺の庭を形作ることになったときに、この道路を「内部化」することを構想しました。

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 そこで重要な役割を担ったのが、おおるり眼科クリニックと同様の「赤くさびたゲート」。こちらでも構造用鋼板のSS400を使っています。
 池を道路側に出し、墓地を囲む塀をあえて鉄のフレームで構成する。「こうすることで『道路も〝中〟だぞ』と言っている」と鈴木さん。

 道路との境界線を曖昧にすることで、もともとあった敷地が自然に意識できる、という算段です。

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 雨水が落ちて流れるように、ここでもゲートの下には溝が設けられています。「赤は強い色。だらだらと道に流れて汚くならないように」という配慮を形にしたものです。

 

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