「人生はマラソンだ!」をサッカーファンの視点で見る
5月2日夕刊「彩々プラス」のマラソン特集で紹介した映画「人生はマラソンだ!」。12日、静岡シネ・ギャラリーで上映が始まりました。オランダ・ロッテルダムを舞台に、中年男4人組がフルマラソンに挑戦する姿を描きます。(橋)
オランダでは2012年秋に公開され、10週以上のロングラン上映で30万人を動員しました。
自動車修理工場で働く中年男4人組が、工場の存続をかけてロッテルダムマラソン完走を目指す…というストーリー。筋書きはかなりオーソドックスで、まあ、ありていに言って深みはそれほどありません。「フル・モンティ」「フラガール」と比較すると、率直に言って平板かな、と。
ただ、ロッテルダムやアムステルダムの風景の美しさや、ロッテルダムマラソンの臨場感はよく伝わってきましたし、中年男4人組の一挙手一投足は、オランダ人の行動原理をわかりやすく説明しているように感じました。オランダという国に親しみを覚えました。
特に興味深かったのは、サッカーについてのあれこれ。4人組が最初に出場する大会はアムステルダムで開催されるのですが、「アヤックスの本拠地なんか行きたくない」などと駄々をこねるのです。
彼らはロッテルダムのサッカークラブ、フェイエノールトのサポーターのようです。映画の後半には、フェイエノールトの本拠地「フェイノード・スタジアム」も出てきます。
コーチに諭されてアムステルダムに行った彼らですが、同地のパブで飲んだくれます。その時に、地元の人々と合唱するのが「You'll never walk alone」。「あれ?」と思いました。どうしてライバルクラブのサポーターと仲良く歌っているのか、と。そもそも、この曲はイングランドのリバプールFCのサポーターソングでは…?
帰宅後に調べてみたところ、なんとこの曲、アヤックスとフェイエノールト、どちらのクラブのサポーターも歌うようですね。不可解に見えたシーンでしたが、理に適っていたわけです。
この曲、その後も印象的なシーンで使われます。個人的には頭に「?」が渦巻いた場面。「えーっ!?」と声をあげそうになりました。でも、この曲の持つ特別なフィーリングでそれが封じ込められた感もあります。サッカー好きの方、ぜひご覧になってください。
静岡シネ・ギャラリーでは映画公開を記念して「人生はマラソンだ!」Tシャツを販売しています。1枚1500円。これを着て秋のマラソン大会に出場してはいかがでしょう。
同館では7月25日まで。浜松シネマ・イーラでは9月20日から上映です。
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