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アンドレア・バッケッティさん、静岡でピアノ公演

 7月15日、静岡市民文化会館で開かれたイタリア人ピアニストのアンドレア・バッケッティさんのリサイタルに行ってきました。「21世紀のグレン・グールド」という声もあるように、バッハの演奏者として高名なバッケッティさん。最大の聴きどころは「ゴールドベルク変奏曲」でした。(橋)

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 黒の上下に身を包み、「ひょこひょこ」とユーモラスな足取りでステージに登場したバッケッティさん。演奏が始まると表情が一変します。
 細身を「く」の字というより「コ」の字をひっくり返したように体を折り、祈るように鍵盤を見詰めて手を動かすスタイル。首や体がかなり大きくかしぎ、独特のグルーヴを紡ぎ出します。

  「ゴールドベルク変奏曲」はプログラムの2曲目でした。ゆったりとテーマを奏でた後、次々に変奏を紡ぎ出します。鳥がさえずるような軽やかさ。全体的にテンポは速めです。まるで色とりどりの花が、次々開いていくようなイメージ。ペダルを多用していますが、1音1音の輪郭はくっきりと浮かび上がる。これは技術のなせるわざ、でしょう。

  「ゴールドベルク変奏曲」といえば、グレン・グールドの名演が思い出されます。「激しい」印象があるグールドに比較すると、バッケッティさんの演奏はカラフル。聴いていると「ワクワク感」が伝わってきます。表情の異なる30の変奏が、見事にキャラクター付けされていました。

 このコンサート、第2部はモーツァルトづくしだったのですが、アンコールが大盤振る舞い。バッハの「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」の「メヌエット ト長調」など、おなじみの楽曲が次々に奏でられました。
 最後の最後はモダンジャズ風味たっぷりの「オーバー・ザ・レインボー」。イタリア人奏者がこんな演奏をすることに、かなり驚きを覚えました。

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