「白糸唐辛子」収穫間近
木曜夕刊の連載「味わう文化財~しずおかの在来作物」。7月は富士宮市の「白糸唐辛子」を3日から3週間連続で掲載しました。現地に通っているうちに、唐辛子はどんどん大きくなりました。収穫開始まであと少しです。(橋)
最初に取材に行ったのは6月中旬。高さ30センチほどでした。
葉の間にはこんなつぼみが。畑を管理する大沢邦之さんによれば、葉2枚につき実1つが展開していくとのことでした。
その約1カ月後。7月14日に行った時には、高さ50~60センチに育っていました。これから、もっと横に葉が広がるそうです。
白い花弁の花もあちこちで咲いていました。7月下旬から実の収穫が始まります。「最初は青いものを収穫します。フレッシュのうまさは、また格別なんです。爽やかな辛さが走って」と大沢さん。
白糸唐辛子はタカノツメは1つの株ごとに、花が咲き実が熟すのがほぼ同じタイミング。だから、株ごと収穫できます。
これに対して白糸唐辛子は、実一つ一つの熟度が異なるそうです。「新しい花が次々咲いて、実が緑から赤に変わっての繰り返し。12月までこのサイクルが続きます」
これは、提供いただいた秋の写真。こんなふうに、下に向かって伸びていきます。
根っこでパチンと切れば、たくさんの実が収穫できるタカノツメに比較して、収穫には手間がかかります。大沢さんは「これが広域栽培されなかった理由かもしれない」と思っています。でも、自分自身はその手間を惜しみません。「この唐辛子にほれ込んでいますから」。個性豊かな辛味に、絶対の自信を持っているのです。
「この唐辛子について、どれだけ考え抜いたことか。このことだけは、誰にも負けない自信があります」。大沢さんは力強く言い切りました。
富士宮市の「まかいの牧場」では今、白糸唐辛子を使った乳製品の新商品の開発が進んでいます。今後、ますます目にする機会が増えるかもしれませんね。
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