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「ホットロード」能年玲奈さん、登坂広臣さんの取材 

 8月12日夕刊芸能面に掲載した、映画「ホットロード」出演の能年玲奈さん、登坂広臣さんのインタビュー記事。取材は7月下旬、静岡市駿河区で行いました。質問に対してじっくり考えてから小さな声で返答する能年さん、映画の印象と同様に「目力」を感じさせる登坂さん。対照的なたたずまいの2人と、約20分間言葉を交わしました。(橋)

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 映画の特色は、原作漫画のせりふがほぼそのまま台本になっている点です。筆者は、原作を片手に試写を見ましたが、その「同一性」に驚きました。
 取材ではその点について、いくつか質問しました。原作のキャラクターから飛躍する余地が少ないため、役作りが難しかったのではと考えたからです。

 まず、それぞれが演じた人物について、分析してもらいました。
 「和希はすごく不器用ですね。素直に自分の感情をはき出せない性格」(能年さん)
 「春山は真っすぐで、不器用なところもたくさんある男。孤独感を抱えているけれど、人を引き付ける力があります」(登坂さん)

 映画化にあたって、そこに新しい要素をどう加えたのでしょうか。
 登坂さんは「特別な意識はなかった」とのこと。原作のキャラクターをできるだけ忠実に再現することに気を配ったようです。
 能年さんは三木孝浩監督に「原作とは時代が異なるが、今の人にも通じるようにしたい」と言われたそうです。「自分自身が(物語に)入っていくために共通項を探しました。例えば親への反抗心などは、どんな時代でも通じるかなと。そこは大切にしましたね」

 役柄はともかく、素の能年さんを見ていると「反抗心」という言葉は縁遠く感じます。
 「自分自身にもそういう時期がありましたから、反抗する心には共感できました。でも、時代なのかキャラクターなのか、(和希とは)表現の仕方が全然違った。そこが難しかったですね。私はその場で言葉にするタイプでしたから」

 撮影は昨年の秋から冬にかけて。寒い時期の撮影に、苦労も多かったようです。
 「海岸沿いの広場での乱闘シーン。Tシャツ1枚で戦っていますが、撮影したのは11月下旬、12月上旬あたり。海から風が吹き付けて、みんなで寒い寒いと言いながら撮りました」(登坂さん)

 能年さんは「(母役の)木村佳乃さんが緊張を解きほぐしてくれた」と言います。「明るくお話しして下さったり、前触れもなくいきなりくすぐられたり。私は演技で悩み始めると閉じこもってしまうタイプなので、そういうことをしていただいてホッとしました」

 最後に映画全般の見どころを話してもらいました。
 「リアルタイムで原作を読まれた方はもちろん、現代の中高生にも見ていただきたいですね。好きな人がいることが自分を大切にする理由になる。そんなメッセージを感じ取ってもらえるはずです」(登坂さん)
 「親子の関係、恋愛など、思春期の複雑な感情が丁寧に描かれていると思います。原作が持っている空気感を、映画を通じて感じ取ってほしいですね」(能年さん)

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