静岡新聞　文化生活部記者ブログ「くらしず」　紙面にプラス、こぼれ話いろいろ

  富士市出身の映画監督、渡辺喜子さんの「ｔｉｇ☆ｈｕｇちぐはぐ」は、理想と現実の間で揺れる大人たちにエールを送る長編作品。映像制作会社で働くアシスタントディレクターを主人公に、渡辺監督の実体験と重なるリアルな物語を描きます。１２日の夕刊シネマ面で、渡辺監督のインタビューを掲載しました。（宮）

  美術大学でグラフィックデザインを学んだという渡辺監督。４年間で一番感動した表現を追求しようと考え、一時はマイケル・ジャクソンさんやマドンナさんのようなエンターテイナーを目標にしたこともあったそうです。体で表現する仕事として、夢はダンスから芝居に移り、映画監督という形で結実しました。

  エキストラとの衝突や、登場人物の「３年もあれば何か撮れてるだろう」という厳しいせりふが、物語に真実味を与えています。いつのまにか繰り返される妥協の毎日。「そういえば自分はこんなことをしたかったんだっけ」と思い出すきっかけをくれる映画です。

  静岡シネ・ギャラリーで２２日まで。