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サラーム海上さん、中東料理を語る

 8月22日、静岡市清水区のスノドカフェで、音楽評論家のサラーム海上さんのトークショーが開かれました。タイトルは「おいしい中東講座」。1989年にモロッコを訪れて以後、音楽フェスの取材などで中東各国を定期的に旅している海上さんが、写真や動画を交えて中東の食の魅力を語りました。(橋)

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 静岡市を訪れるのは初めてという海上さん。トークの前にはトルコのサバサンド「バルック・エキメッキ」が提供されました。
まずは私たちが何気なく使っている「中東」という言葉の地政学的概念、中東料理の分類から話を始めます。

 中東料理は大きくアラブ料理(レバノン、モロッコ、エジプト、イラク、イエメンなど)、トルコ料理、ペルシャ料理、イスラエル料理に分けられるそうです。

 中東全域に広がる串焼き「ケバブ」のバリエーションには、目を見張りました。たいていは羊ですが、近年はダイエット志向の消費者に向けて鶏肉も使われるとのこと。つくね状のもの、煮込んだもの、オーブン焼きしたものも登場しました。「ケバブはごちそう。自宅では作らないんです」

 後半の話題はトルコ、レバノン料理。
 イスラム国は、お酒を飲ませる店が少ない印象ですが…。「そんなことはない。イスタンブールにはメイハネという居酒屋のような店がたくさんあります」。こうした店に入って席に着くと、前菜(メゼ)の小皿をたくさん載せたワゴンがテーブルに横付けされ、来店客は指さしで注文するそうです。
ナスの冷製やカタクチイワシの空揚げ…。実にうまそうな料理ばかり。「どう考えてもこれ、酒のつまみでしょう?」。トルコには「ライオンのミルク」と言われるブドウとアニス(ウイキョウ)のリキュールがあって、メイハネには必ず置かれています。これで「乾杯!」とやるんだそうです。

 驚きだったのはレバノン料理の評価の高さ。「日本ではなじみが薄いですが、世界4大料理の一つです」。日産自動車カルロス・ゴーンCEOの奥さまが、かつて東京でレバノン料理の店を開いていたとか。聖書で「乳と蜜の流れる国」と描写され、オリーブ油、ワイン、ビールの発祥地でもあるそうです。
 レバノン料理の定番として紹介されたのがパセリのサラダ「タッブーレ」、ラムの生ひき肉を食べる「クッベ」。「ニンニク、レモン、ハーブ、オリーブ油をとにかくたくさん使います」

 トルコ、レバノン料理の説明を聞いていて気が付いたのは、どちらも「地産地消」重視であること。トルコは食料自給率100%といいます。
海の恵みと隣接する山岳の幸。これらを上手に生かして発展した食文化は、どこか静岡県と似ていないでしょうか?

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 サラーム海上さんの2013年の著書「おいしい中東 オリエントグルメ旅」(双葉文庫)。日本の家庭でも作れる中東料理のレシピ52品目も掲載されています。

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