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「夢は牛のお医者さん」時田美昭監督との対話(下)

 8月26日夕刊「シネマ通り」に掲載したドキュメンタリー映画「夢は牛のお医者さん」の時田美昭監督インタビュー。対話の抄録、第2弾です。近年注目が集まる「地方局が作るドキュメンタリー」についても聞きました。第1弾はこちら。(橋)
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▼映画を見た人からどんな反応がありましたか?
「社会性もメッセージ性もないねと(笑)。その半面、これほど普遍性がある映画もないと言われます。『こんな映画は見たことがない』とも。夢、家族、古里、働くことの尊さ。誰もが自分に当てはめることができる。誰もが自分の人生に重ね合わせることができる」

▼時田さんはなぜ高橋さんを追い続けたのでしょうか?
「彼女に引き寄せられたんですよ。それだけと言えばそれだけ。でも『よく見逃さなかったね』とも言われるんです。うれしい言葉ですね。発端になった牛の卒業式は新聞各社、県内のテレビ局が全局来ていた。でも、その後の(閉校までの)学校の追加取材をしたのはうちだけだった。まあ、学校そのものにべたぼれしちゃったんです」

「神宮希林 わたしの神様」(東海テレビ)、「標的の村」(琉球朝日放送)、「放射能を浴びたX年後」(南海放送)など、地方局が製作するドキュメンタリー映画が共感を集めています。
「キー局だといくら『ネタにほれた』と言っても、『数字が取れるのか』と言われたら悩んでしまいますよね。地方局であれば、地元密着で一人一人のテレビマンの熱意がキー局よりは通りやすい」

▼地方局はそういう意味では恵まれているのでしょうか。
「そうですね。ドキュメンタリーを作る上では定点的に追う目線が必要ですから、地方の方が強い。私は地方こそネタの宝庫だと思っているんです。地方局がそれぞれ、もっと自信を持った方がいい。3年前、5年前、10年前に取材した人に連絡を取ってみたら面白いかも知れない、とよく言うんです。1度取材した出来事がきっかけで別の事象が起こっている可能性がある。そうすれば、もう1ネタできるわけです」

「夢は牛のお医者さん」は静岡シネ・ギャラリー(静岡市葵区)で9月20日から上映予定。

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