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「ベアードビール」の前史とは

 9月8日付の特集連載「地の味人の味」では伊豆市に生産工場を移転したばかりのクラフトビールメーカー「ベアードブルーイング」を取り上げました。
 静岡市内のパブでベアードのビールを愛飲している筆者。 ブライアンさんから「ベアードビール前史」もうかがいました。(橋)

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▼ビールに関わるきっかけは?
「もともと愛飲者だったんです。1989年夏に初めて来日し、大阪で英語教師をやっていました。日本が気に入って、この国でものづくりの仕事がしたかった。自分が情熱を注げるのは何かと考えたら、それがビールだった」

▼1994年のビール醸造の規制緩和も後押ししたんでしょうか。
「そうですね。1992年にいったん帰国してワシントンDCで大学を卒業しました。経済学で修士号を取って再来日。東京で仕事をしていた時期が、規制緩和と重なった。当時、東京のパブではすでにベルギービールが飲めたんです。ベルギーにはこんなにいろいろな種類のビールがあるのかと。自分も個性的なクラフトビールをつくりたいと思いました」

▼それから醸造の勉強をされたんですね。
「1997年にサラリーマンをやめてまたアメリカに戻って。カリフォルニアの醸造学校に通って、ビールに関する知識や技能を身に付けました。インターンはシアトルのレッドフックに行きました」

▼もう1度日本に帰ってきてどうしましたか?
「醸造に必要な設備を集めました。今、新工場のパブの入り口に飾ってあるのはそのときのもの。バドワイザーのたるに温度計を付けて。知り合いに溶接してもらったんですよ。クラフトマンシップというのは勉強だけじゃない。実際にやってみることが大切ですから。手を動かさないと何も始まらない。自宅のベランダでレシピの実験を繰り返しました」

▼その時に開発したビールで、今も残っているものはありますか?
「帝国IPAや黒船ポーターがそうですね。ベースになるものはすでにその時にできていました」 

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 ベアードビールの「ルーツ」がベルギーだったこと。定番の2種類のビールが、本格醸造前の15年ほど前からあったこと。驚きが多いインタビューでした。
 最新の機器を導入した立派な新工場。3階のパブでは20種類の生ビールが飲めます。来春には敷地内にキャンプ場がオープン予定。きっとにぎわうことでしょう。

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