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「フルーツビールシリーズ」の出発点

 昨日に引き続き、9月8日付の「地の味人の味」で訪ねた「ベアードブルーイング」の話題を。同醸造所の特徴の一つでもある、フルーツビールシリーズの端緒についてもうかがいました。(橋)

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▼最初に使った果物は何ですか?
さゆりさん「戸田村(現沼津市)の大工さんが2001年、ミカン箱いっぱいのミカンを持って来てくれて。ビールに使いませんか、と言うんです」
ブライアンさん「それまで、僕らはフルーツビールに対する偏見があった。でも、そのミカンを見て『新鮮な材料を使う』という僕のビール哲学に合うと思いました」
さゆりさん「彼は私たちのビールの話をずっと聞いてくれていたから、こちらの情熱や理念がよく分かっていた。持ってきてくれたミカンを食べてみたら、スーパーで売られているものとは味が全然違うんです。形はばらばらでも、味がしっかりしている。これはもしかしたら変身するかもしれないな、と思いました」
ブライアンさん「2001年に仕込んで、2002年に完成。ある日の午前中に、知り合いだけを集めて試飲会をしました。予想以上においしくできたし、来てくれた人にも好評だった。地元の新鮮なフルーツは使えるな、と思いました」

▼それが今も発売されている「大工さんのみかんエール」ですね?
ブライアンさん「そうですね。今もその大工さんからいただいたミカンを使っています。僕らはフルーツジュースを造っているわけではない。あくまでビールの苦さや味があって、それをさらにおいしくするためのものです」

▼今年から約60種のビールの「リリース日」を公表していますね。なぜですか?
さゆりさん「これまではお客さんに発売を伝えても、すぐに売り切れてしまっていた。どうやったら取れるんだとも言われました。工場の規模が大きくなったことを機に、そういうことをなくしたい。これだけの規模になると、ブルワー全員がいつ何を造ればいいのかをきちんと共有しなくてはいけない、という側面もあります」
ブライアンさん「ビールの総数はこれ以上増やすことはないけれど、入れ替えはこれからもあると思います。面白い原材料を手にして、新しいビールを造りたくなるかもしれないし」

▼新しい定番「わびさびジャパンペールエール」にはわさびと茶を使っていますね。
さゆりさん「地元の原材料で造ることができる。新鮮じゃないと使えないけれど、この二つは1年中手に入ります」
ブライアンさん「日本独自の味。だからといって、そのキャラクターが出過ぎてはいけない。ホップの風味、わさびやお茶の風味が絡み合って、それぞれの香りがどこで始まってどこで終わるのかが分からない。うまく融合してつなぎ目がないものを造りたかったんです」

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 今後は、タップルーム(ビアパブ)を〝輸出〟する形で海外展開も図る予定といいます。台湾や香港、シンガポールなどといった名前が挙がりました。ブライアンさんは「ビールは世界言語。アメリカのクラフトビール特有のスピード感が、自分たちの活動を広げている」と、今後も挑戦し続ける決意を語りました。

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