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ヒカシュー、浜松窓枠でライブ

 9月16日、浜松市中区のライブハウス「浜松窓枠」で行われた、ヒカシューのライブに行ってきました。1978年に結成された5人組。メンバーの巻上公一さんと佐藤正治さんは熱海市在住です。昨年末発表した最新アルバム「万感」や、前作「うらごえ」からの曲を中心に、声と楽器が混然一体となった演奏を繰り広げました。(橋)

 ※写真はヒカシュー提供

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 「浜松窓枠」には初登場。巻上さんはMCで、近隣にある静岡文化芸術大で3年間講師を務めたエピソードを披露しました。

 筆者は何度もヒカシューのライブを見ていますが、天井が高い同所は音の抜けの良さという点で、彼らの持ち味が最大限に引き出されるように感じました。丁々発止のインプロビゼーションも、音の一つ一つが複雑にからまりつつ、各楽器のフレーズが鮮明に聞こえてきました。

 彼らのインプロには、聴き手を置き去りにしない「優しさ」を感じます。メンバーそれぞれが、発想豊かな「声(ボイス)」をアンサンブルの重要な構成要素として認識しているからでしょう。ぐちゃっとした音の塊のすき間から、さまざまな表情の旋律が立ち上ります。

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 今回印象的だったのは、ギタリストの三田超人さんの「発句」による、「シベリアンハスキー」「ダメだ」という2語だけを使ったインプロ。複雑なブレークが入りますが、アイコンタクトもせずに5人がピタリと合わせるのです。唯一無二のメンバー構成であることを、改めて認識させられました。

 もう一つ。巻上さんのテルミン演奏は聞くたびに進化を遂げているように感じました。声でフレーズを紡ぎながら、テルミンに「伴奏」させる。いわば「テルミン弾き語り」に近いようなことをやっていました。

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 「メンバー全員が50代になりました。活動も36年目。こうなると、レコーディングではどうやって元気を出すかを考えなくてはいけない。だからニューヨークでやるんです。2日間しかない、となると必死になるでしょ。ニューヨークの人たちは忙しそうだから、そんな雰囲気に追い立てられるという面もある」(巻上さん)

 アンコールのラストは新作から「ニョキニョキ生えてきた」。一度録音した楽曲の構造をあえてぶっ壊すような演奏に、彼らの神髄を見た気がしました。

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