トップページ >06)エトセトラ >正しく知ろう「乳房再建」

正しく知ろう「乳房再建」

 9日夕刊で乳房再建セミナーの一端を紹介しました。乳がんで失った乳房を取り戻す手術などについて正確な情報を得てほしい、と全国キャラバンの一環として開かれました。専門家や再建経験者の話を直接聞く貴重な機会になりました。(の)

 

nyu.jpg

 再建手術には、患者自身の体の組織を使う「自家組織」と、シリコンなどでできた人工物を使う「人工乳房」(インプラント)があります。手術のタイミングは、乳がん手術と同時に行う「1次再建」と、乳がん手術後に一定期間をおいてから行う「2次再建」があります。病状によって全摘、温存と手術法も変わります。一人ひとり、胸の形やサイズが違うように、再建に至るまでも千差万別です。

 

 セミナーで聞いた体験者の話もみなそれぞれでした。過程は違えど、共通していたのは「再建して良かった」ということ。女性の象徴ともいえる乳房を失う喪失感は記者の想像には及びません。悩みに悩んで、不安と闘いながら再建した乳房は、元の形と全く同じにはならなくても「いとしいものなのです」と、主催したNPO法人「E-BeC(エンパワリング・ブレストキャンサー=イーベック)」の真水理事長。

 

 体感会では、再建経験者が上半身裸になって、参加者に触らせてくれました。再建に悩む患者さんや関係者にとって、再建した乳房を自分の目で見て直接触れ、率直な質問もできたのは本当に貴重で、今後の参考になる体験だったと思います。

 

 真水理事長によると、再建手術は人気の医師に偏り、中には3年待ちということもあるそうですが、「熱心な医師はほかにもいる」と指摘します。再建医の紹介がイーベックのホームページに載っています。「情報をきちんと得てから手術したほうが満足度も高まる。乳がん後の人生は長い。QOLを高めて人生を楽しんでほしい」と真水理事長は願っています。

コメントを投稿

コメントを表示する前に承認が必要です。コメントが表示されるまで、少し時間がかかる場合がございます。


画像の中に見える文字を入力してください。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.at-s.com/mt1/mt-tb.cgi/48915

トップページ >06)エトセトラ >正しく知ろう「乳房再建」

ご案内

静岡新聞文化生活部の記者ブログです。
取材時のエピソードなどをアップします。
音楽、アート、鉄道、くらしなどがテーマ。
紙面にプラスのこぼれ話が満載です。


★文化生活部ツイッター ⇒こちら
「くらしず」の更新情報もお伝えします。

★アットエスニュース ⇒こちら
静岡新聞の公式ニュースサイトです。