トップページ >07)アート >佐野美術館「超絶技巧!」展の、超絶技巧ベスト3

佐野美術館「超絶技巧!」展の、超絶技巧ベスト3

 10月4日に開幕した佐野美術館(三島市)の「超絶技巧! 明治工芸の粋」展に行ってきました。ほとんどが海外に輸出され、日本人の目に触れることが少なかった明治時代の工芸品がテーマです。村田理如氏のコレクションを集めた清水三年坂美術館から、えりすぐりの作品が集まっています。(橋)

20141019web佐野美術館1.jpg 動植物をじっくり観察し、リアルに描く作品の数々を眺めていると、まるで博物誌を繰っているような気持ちになります。

20141019web佐野美術館2.jpg

 ここでは出品された作品の中から、筆者が「これはまさしく超絶技巧だ!」と感じた3点をピックアップさせていただきます。当然ながら館内は撮影禁止なので、写真はありません。ぜひ、同館に足を運んで実物をごらんになってください。

▼粂野締太郎「蝶尽し香合」 
 縦7×横9×高さ3.7センチの小さな七宝焼きの香合ですが、内側に1000匹を超える、色とりどりの蝶が描かれています。パッと見たら、単なる点にしか見えません。一つ一つ、羽が丁寧に描かれています。無数の蝶の乱舞。ちょっとくらくらします。

▼正阿弥勝義「古瓦鳩香炉」
 金工。てっぺんから首をかしげるようにして足の下をにらむハト。その視線の先にはクモ。ハトの攻撃的な視線に、クモが「すくんで」いる様子が伝わってきます。江戸期には刀装具の職人だった作者は、昆虫や鳥を自分で飼育して観察を続けたそうです。

▼精巧山「雀蝶尽し茶碗」
 色彩豊かな薩摩焼の作品。「精巧山」という銘がありますが、この方の来歴は未詳だそうです。これも内絵に無数のチョウが舞っていますが、ぜひ外絵にご注目を。さまざまな表情のスズメたちが愛きょうを振りまいています。 

コメントを投稿

コメントを表示する前に承認が必要です。コメントが表示されるまで、少し時間がかかる場合がございます。


画像の中に見える文字を入力してください。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.at-s.com/mt1/mt-tb.cgi/48955

トップページ >07)アート >佐野美術館「超絶技巧!」展の、超絶技巧ベスト3

ご案内

静岡新聞文化生活部の記者ブログです。
取材時のエピソードなどをアップします。
音楽、アート、鉄道、くらしなどがテーマ。
紙面にプラスのこぼれ話が満載です。


★文化生活部ツイッター ⇒こちら
「くらしず」の更新情報もお伝えします。

★アットエスニュース ⇒こちら
静岡新聞の公式ニュースサイトです。