静岡市美術館「国宝久能山東照宮展」の見どころ
10月4日に開幕した静岡市美術館の「国宝久能山東照宮展」。筆者なりの見どころを挙げます。(橋)
久能山東照宮博物館の所蔵品など、家康や歴代将軍の愛用品がそろったこの展覧会。まず目を引くのが、家康の「南蛮胴具足」。イタリア・ミラノ製の一品です。日本に持ってきてから透きうるしで仕上げているのですが、表面のエッチングがとてもおしゃれです。動植物らしきものが細かく細かく刻まれていて、見ていて飽きません。これも「和洋折衷」と言うのでしょうか。
続いて目を奪われたのは、1868年に描かれた「駿府并近郊図」。駿府城の俯瞰図なのですが、周囲の町名まではっきり書かれている。「七間町」「梅屋町」などという文字が見えて、静岡市民の一人としてはうれしくなります。八幡村、有東村を経て久能山に至る道は、いわゆる「久能街道」のようです。現在の街並みを重ね合わせて、当時の様子を思い描くのも楽しいでしょう。
徳川幕府の15人の将軍の肖像画がずらりとそろっているので、顔を見比べることができます。ひときわ異彩を放つのが14代の家茂。大きな目、高い鼻が特徴的です。数え21歳で亡くなっただけに、かなり若いときの姿なのでしょう。少年とも青年ともつかない、独特の表情が印象的でした。
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