「地の味人の味」削り節の西尾商店
10月27日付の連載「地の味人の味」では、静岡市清水区の西尾商店を取り上げました。蒲原地区の削り節文化の未来を担う、4代目透雄さんの姿を描きました。(橋)
原料のイワシは、ほとんどが熊本県天草市産。12月から2月にかけてが「適期」です。削り節の原料は、脂が乗っていないものほど良質とされるので、一般的な「旬」とは半年ずれているそうです。
水揚げされた後に煮て、天日干ししたものを大量に買い付け、冷蔵・冷凍庫で大切に保管します。
削り機に入れる前には、いったん蒸して適度に水分を含ませます。あまり硬すぎると、ふわりとした食感が生まれにくいからです。季節や、保管期間によって、蒸し時間を微妙に変えます。
大部分が機械化されていますが、原料との対話は欠かせません。原料がどんな状態でも、同じ薄さ、同じ香り、同じ味わいの削り節を作る。これぞ「職人技」です。
同店は今夏、新しい挑戦を始めました。なんとスルメを削った〝削り節〟を発売したのです。西尾公伸社長は「日本で初めて」と誇らしげです。東京で開かれた見本市でもかなりの反響があったそう。「北海道の削り屋さんから、削り方を聞かれた」とのことです。
ご飯に、おつまみに。用途を選ばない形だけに、今後、ヒット商品になるかもしれません。
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