「八角文化会館」の「伊豆特集」
廃墟や珍スポットを紹介するモンドな不定期刊行雑誌「八角文化会館」。今夏発売された第4号は、伊豆特集です。46ページにわたって、静岡新聞とは全く異なる視点の観光情報が掲載されています。(橋)
「全力特集 日本のワンダーランド伊豆」というタイトルどおりの大特集。「インディペンデント精神が炸裂した」珍スポットが満載です。
冒頭には「ボスキャラ的施設」7カ所。熱川バナナワニ園、熱海秘宝館、伊豆シャボテン公園、伊豆極楽苑…。いつか行ってみたいと思いつつ、いまだに行けていない施設が半数。「スゲー度」「カッケー度」など5項目のチャートが、たいへん分かりやすい。個人的には「まぼろし博覧会」に興味津々です。知る人ぞ知る出版社「データハウス」の社長がオーナーで、「村崎百郎館」なるものもあるとか。恥ずかしながら、その存在を知りませんでした。ぜひ一度、訪れたいと思います。
熱海の観光ホテル特集は、レトロスペクティブな内装の数々にすっかり魅了されました。「ホテル水葉亭」の王朝大浴殿、「ホテルニューアカオ」のシャンデリア、「熱海金城館」の金ぴかエントランス。非日常感が満載です。ある時代の価値観が、そのまま冷凍保存されているように感じます。
「昭和モンド観光」「伊豆ダークツーリズム」といったページも、時間軸がぐにゃりと曲がったような感覚が得られる好企画。「下賀茂熱帯植物園」はこの本が発刊された後に、閉園しました。
全編を通じて、細かいところから丁寧にネタを拾っていて、ある種の「愛情」を感じました。編集部対談で述べられている「伊豆の面白さはエクスペリメント精神」「実験に対して非常におおらかな土地柄」というのは、この地域の美点を的確に言い表しているように感じます。
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伊豆の魅力を、斜めに串刺ししたようなこの本。「伊豆なんて何度も行っている」とのたまう静岡県民にこそ読んでほしい。「県外」から見た、別の伊豆の姿が新鮮です。
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