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「三博士、七間町に来たる!」

 10月27日、静岡市葵区の「スノドカフェ七間町」で開かれたトークショー「三博士、七間町に来たる!」。県立の新博物館の新任若手研究員3人が自らの専門分野を語りました。アカデミックな内容を、持ち前の話術で聞かせるお三方。マニアックかつ、エンターテインメント性あふれる2時間でした。(橋)

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 「前座ですから」と控えめに話を始めたのは「世界遺産センター(仮称)」の大高康正准教授。その言葉とはうらはらに、いきなり中世の「地獄絵図」の深ーい解説を始めます。カフェの観客は、神妙な顔つきで聞き入っていました。

 題材は「熊野観心十界曼荼羅」。賽の河原に落ちた子どもたち、三途の川の脱衣婆など同じみの場面から始まり、血の池地獄、石女(うまづめ)地獄など、今なら確実に女性差別として糾弾されそうな世界観まで、盛りだくさんの「地獄話」でした。

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 次に登場した「ふじのくに地球環境史ミュージアム」の山田和芳准教授は、身ぶり手ぶりのアクションを交えて大熱演。湖底から採集する「年縞(ねんこう)」が、いかに大地の動きを正確に伝えるかを解説しました。日本では1991年に初めて発見され、浜名湖で見付かったのが1998年。まだまだ新しい学問のようです。山田准教授は、これを突破口に、人間と自然の付き合いのありようを見定めようとしています。

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 「トリ」を飾ったのが「ふじのくに地球環境史ミュージアム」の岸本年郎准教授。専門の昆虫分類学を説明し、静岡県がいかにこの分野の研究に適しているかを力説しました。
本領発揮は「質問コーナー」。豆知識が次々飛び出します。特に、昆虫食についての質問の答えは驚きでした。
  「食べてみて一番おいしかったのは、カミキリムシの幼虫でした。イクラの中にとろけるチーズ、といった食感と味わい。焼酎や赤ワインに合います。カメムシの一種も、素揚げにすると独特の香りがして、とてもおいしいですね」 

 子どもの「昆虫博士」がそのまま大人になったような岸本准教授。整備中のミュージアムでどんな展示をするのか。今から楽しみです。


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