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ロダン再発見 県立美術館で記念イベント

 県立美術館のロダン館が開館20年を迎え、11月3日まで記念イベントが開かれています。「行ったことある!」という人にとっても、人物や作品の魅力を再発見できる貴重な機会になりそうです。この「ロダンウィーク」の開幕を飾った識者座談会では、フランス国立ロダン美術館のカトリーヌ・シュヴィヨ館長らが当時のロダン像を探りました。(宮)

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 「考える人」「地獄の門」などで知られるオーギュスト・ロダン(1840~1917年)は、彫刻だけでなく、素描や水彩画を駆使した制作方法も先駆的でした。シュヴィヨ館長は、ロダンが世界的な彫刻家としての名声を得るまでの道のりを示し「さまざまな意味や形を組み合わせる実験的な取り組みが見られる。ピカソら20世紀の理念を40年も前に先取りした」と解説しました。国立西洋美術館の馬渕明子館長は、モデルをあらゆる方向からデッサンした工程に触れ、「画家で彫刻家のエドガー・ドガ、同じようにデッサンを取り入れていたグスタフ・クリムトの2人を思い浮かべた」と身体の動きに鋭く反応した点に着目しました。

 川勝平太知事は「多くのロダン作品を常設展示する美術館として、フランス国立ロダン美術館からも高い評価を得ている。3年後の没後100周年に向けて、ロダンを顕彰する仕事をしていきたい」と、一層の発展を誓いました。県立美術館の芳賀徹館長は、森鴎外や武者小路実篤らロダンを熱心に研究した日本人を紹介。「武者小路の熱の入れ具合は特に面白い。ロダンの話を聴いたり画集を見たりして、体がわなわな震えたほど」。巨人ロダンの充実と評判を伝えるエピソードも挟みました。

 ロダンウィークはロダン賞コンサート(1日午後2時半)、クイズラリー(2、3日午後10時半)、ギャラリートーク(3日午後1時半)などが行われます。

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