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「2014年しずおか連詩の会」参加者紹介(1)~東直子さん

 11月13日から「2014年しずおか連詩の会」の創作が始まります。5人の参加者が3日間で40編の現代詩を創り上げます。ことしは例年以上に多彩な顔ぶれが集いました。5回に分けて、代表作を紹介します。(橋)

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東直子「鼓動のうた」(2014年、毎日新聞社)

 毎日新聞に掲載された2008~2014年の連載をまとめた単行本。「擬音語を生かす」「失恋をめぐって」「体の不思議さ」「夭折の背景」など、独自の切り口で今昔の短歌数編を集め、簡潔な言葉で歌の背景や作者の心情を語ります。

 連載は前半が「愛の歌」、後半が「命の歌」にテーマ分けされています。変更は2011年4月。第1回の締め切り直前に東日本大震災が発生したそうです。

 「愛」から「命」へ。意図した軌道修正ではありません。震災直後に「命の歌」で再出発することになった東さんの心情を想像すると、言葉の一つ一つが胸に迫ります。

 歳時記としても読むことができます。毎回のリード部分で季節を語る言葉の数々が印象的。個人的には、夏場の記述が心に残りました。
 
 八月が終わろうとしている。まだしばらくは残暑が続くと思うが、夏は終わるのだなという感慨にひたってしまう。夏は、気温だけでなく、気持ちの方も熱くなる気がする。(「夏の恋」から)
 
 八月。夏まっさかりである。一年の中の青春期だと思う。夏を感じさせる短歌を読んで、その気配を満喫したい。(「夏のエネルギー」から)
 
 猛暑が続いている。場合によっては体温よりも高い気温の空気に身体を置くことになる。そうなると細かいことは考えられなくなり、暑さに耐える身体がまぎれもなく生き物であることを実感するばかりである。(「夏を生きる」から)

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 13~15日に創作する「2014年しずおか連詩の会」。完成した3行詩、5行詩をリアルタイムで特設サイト「連詩ライブ二〇一四」に掲載します。

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