「2014年しずおか連詩の会」参加者紹介(2)~木下弦二さん
11月13日から始まる「2014年しずおか連詩の会」の参加者紹介第2弾。初参加の木下弦二さんは、4人組ロック・バンド「東京ローカル・ホンク」のボーカリスト兼ギタリスト。すべての作詞作曲を手掛けています。(橋)
東京ローカル・ホンク「東京ローカル・ホンク」(左、2005年)、「さよならカーゴカルト」(右、2011年)
前身は1994年に結成されたバンド「うずまき」。2001年に「東京ローカル・ホンク」に改称しました。
CD「東京ローカル・ホンク」は新バンド名での、最初のアルバム。「さよならカーゴカルト」は3枚目のフルアルバムで、現在までの最新作です。どちらの作品も、久保田麻琴さんが鍵盤楽器奏者や録音エンジニアとして参加しています。
基本的に、重心の低いミディアムテンポの曲が中心。シンプルで間の多いサウンドが身上で、デッドな音のバスドラ、よく歌うベース、アーシーなスライドギターに耳が引き付けられます。木下さんの歌は、語尾の母音の伸ばし方が、どこか「はっぴいえんど」時代の大瀧詠一さんを思わせます。
米国音楽の影響をわかりやすく提示している「東京ローカル・ホンク」に対し、「さよならカーゴカルト」は言葉のつらなりをメロディーの法則から解き放っている印象。短編小説のような「物語的」な曲の中に、短い言葉をつないでイメージを浮かび上がらせるタイプの曲が混じっていて、とても刺激的です。
特に3曲目の「自然ソング」は必聴。ポップソングの定型から大きく逸脱した構成ですが、「詩」として言葉の連なりを眺めていると、変則的なメロディーの必然性がよーく理解できます。
筆者にとっての「キラーチューン」は「東京ローカル・ホンク」の3曲目に収録されている「虫電車」。
イントロがほとんどないまま「蛾が一匹」というフレーズで幕開け。インパクト大です。
蛾が一匹 電車のドアが開いて 乗ってきたのはそれだけ
隣に住んでる子供たちの 泣き声を聞いてると君に会いたくなる
(「虫電車」から)
うーん、耳に残りますね。ぜひご一聴ください。
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13~15日に創作する「2014年しずおか連詩の会」。完成した3行詩、5行詩をリアルタイムで 特設サイト に掲載します。
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