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「2014年しずおか連詩の会」参加者紹介(4)~覚和歌子さん

 11月13日から始まる「2014年しずおか連詩の会」の参加者紹介第4弾。作詞家・詩人の覚和歌子さんは2年ぶり3回目の登場です。(橋)

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 覚和歌子「ベジタル」(2014年)

 

 ことし7月に発表された、2010年の「カルミン」以来4年ぶり3枚目のフルアルバムです。ムーンライダーズの岡田徹さん、鶴来正基さん、丸尾めぐみさん、吉田孝さんといった、おなじみの面々が顔をそろえました。

 伴奏の基調はオープンDチューニングで奏でる佐藤克彦さんのアコースティックギター。「ポロンポロン」という音に、覚さんの澄んだ歌声が乗っかります。朗々としているのに重すぎない、軽やかに舞うようなボーカリゼーション。ビブラートをほとんどかけないのも特徴です。

 大ヒット曲「いつも何度でも」、八ケ岳のヒュッテからタイトルを得たというキュートな曲調の「フライングスプーン」、環太平洋的な旋律にウドゥドラムの沈み込むような音が差し込まれる「タラマイカ」、岡田徹さん作曲のメランコリックな「morning song~朝焼けマニア」など、佳曲が満載。台所や居間など、生活空間によくなじむサウンドプロデュースです。

 今回の「しずおか連詩の会」で顔を合わせる木下弦二さん作曲の「Ginger Girl」も収録。ブルーステイストが感じられる、本作の中では異色のナンバーです。手に負えないこともあるが、いとおしくて仕方がない。そんなパートナーをショウガになぞらえていて、グッときます。

ヒリヒリしてるのは 心じゃない

君のタマシイの方

しょっぱい涙でごまかせ 君はGinger Girl

しみじみと汗をかきなさい

しみじみと汗をかきなさい

 (「Ginger Girl」から)

 覚さんと静岡県との縁は「しずおか連詩の会」だけではありません。2011年にフォトジャーナリストの渡部陽一さん(富士市出身)が発表した朗読アルバム「Father’s Voice」に参加。ことし4月に県立吉田高と県立大井川高が再編統合して生まれた県立清流館高の校歌も手掛けています。

 2012年の「しずおか連詩の会」を終えて「2回目の参加という気持ちの余裕が、座や仲間に対する愛情を際立たせてくれた」と話した覚さん。こうやって文章を書いていると、ジェフリー・アングルスさんを励ます姿が鮮明によみがえります。

 情に厚く、時折効果的に「ちゃぶ台ひっくり返し」も敢行する覚さんは、ことしの「連詩」の潮流を決める存在になるような気がします。

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 静岡新聞社・静岡放送は「2014年しずおか連詩の会」の創作期間中(13~15日)、「連詩ライブ2014」と銘打ち、完成した3行詩、5行詩をほぼリアルタイムで特設サイトに掲載します。

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