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「2014年しずおか連詩の会」参加者紹介(5)~野村喜和夫さん

 本日、11月13日から創作が始まった「2014年しずおか連詩の会」の参加者紹介。第5弾、最終回は詩人の野村喜和夫さんです。(橋)

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 鈴村和成+野村喜和夫「金子光晴 デュオの旅」(左、2013年)、同「ゆるゆる人生のみつけかた」(2014年)

 「金子光晴 デュオの旅」は文芸評論家で詩人の鈴村さんとともに、放浪の詩人、金子光晴の海外渡航の足跡をたどった本。旅行記としても読めますが、それぞれが交互に署名入りで書き綴るスタイルは、まさしく「連詩」そのもの。互いに相手の文脈を受けたり受けなかったりの「駆け引き」が、魅力の一つです。2013年の詩集「芭(塔(把(波 と表裏一体の作品と言っても良いでしょう。

 同じコンビで書いた「ゆるゆる人生のみつけかた」は、金子の思考法を人生訓としてとらえようという、少し柔らかめの文体で書かれた本。特に、金子が東南アジアの華僑居住エリアを転々とした際のエピソードが印象に残りました。現在よりもさらに複雑な日中関係の当時、「そこに身を置く」ことを重視した彼の姿は、私たちに多くのことを教えてくれます。

 さて、野村さんが 「しずおか連詩の会」に初参加したのは2006年。2009年からさばき役を務めています。連続9回参加は、創始者の大岡信さんと並ぶ『記録』。もはや「連詩の会」の顔とも言える存在です。
 20~60代という幅広い世代が集った昨年の「連詩の会」は、まるで疑似家族のような雰囲気でした。“家父長”のような役回りだった野村さんは創作後、「年代ごとの文化的コンテクスト(文脈)の違いが顕著だった。(中略)だからこそ今回は、ランボーや万葉集など、教養として積まれてきたものを背景に置くことを強く意識した」と語っています。

 底知れぬ「知恵の袋」を、持つ野村さん。ことしはどんな言葉を取り出すでしょうか。

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 静岡新聞社・静岡放送は「2014年しずおか連詩の会」の創作期間中(13~15日)、「連詩ライブ2014」と銘打ち、完成した3行詩、5行詩をほぼリアルタイムで特設サイト(http://www.at-s.com/news/featured/renshi/)に掲載します。

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