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「2014年しずおか連詩の会」創作の過程(上)

 11月13~15日に創作し、16日に発表会が開かれた「2014年しずおか連詩の会」。静岡新聞社は、ニュースサイト「アットエス」で創作の過程を紹介し、17日付朝刊では完成した連詩を見開き特集で掲載しました。
 連詩のルールは「前の詩を受けて、5行詩、3行詩を交互に作る」という、シンプルと言えばシンプルなものですが、この「前の詩を受ける」という要素こそ、詩人たちが最も頭を悩ませ、最もクリエイティビティを発揮する部分です。
 ここでは、創作期間中に聞いた詩人たちの話の中から、「前の詩をどう受けたのか」という点についてのコメントをいくつか紹介します。
 語られる詩については、「連詩ライブ」を参照してください。(橋)

20141118web連詩の会.jpg


第1編→第2編

「連歌では通常、3番目に飛躍します。だから、第2詩では覚和歌子さんのやわらかい第1詩に答える形にしたかった。みんなでここに集って、言葉を紡いでいきましょうという宣言です」(大岡亜紀さん)

第3編→第4編

「木下さんの第3編に『山は青』とあったので、中国の故事に『人間到る処青山あり』という中国の故事を思い出しました。人間はいつ、どこで死んでも良いんだという意味。そこから、写真家の藤原新也さんの有名な写真に結びつけました。インドの路上に転がっている遺体に『犬に喰われるほど自由だ』とキャプションを付けたんですね」(野村喜和夫さん)

第4編→第5編

「野村さんから『死』のイメージが出てきたので、そこに付けようと思いました。前夜の会食で出た、富士山麓の樹海の話が結びつきました。この世ならざる場所から、子どもが呼び掛けているイメージ。やわらかく、遠くから聞こえるような。その後に出てくる『お天気がよすぎて』は、中原中也の『別離』から発想しました」(東直子さん)

第7編→第8編

「大岡さんの第7編が楽寿園を舞台にしていたので、同じ場所で見たものから着想しました。澄んだ水なので、浮かんでいる水鳥の足が全部見える。それが、恥ずかしく思えたんです。3行詩にスペクタクルはなくてもいいと思ったので、シンプルにまとめました」(木下弦二さん)

第13編→第14編

「大岡さんが描いた第13編から、主体である私が『きみのその影』を踏んで、相手が逃げないように抑えているという状況を捉えました。私は、ここで出てくる『きみ』は逃がした方が物語として進んでいくと思った。それで、場面を『影』ができない雨の日にしました」(覚和歌子さん)
 

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